2020年4月21日火曜日

ご飯作りはアートな展開で

お久しぶりです。
みなさん、このコロナ騒動の中いかがお過ごしですか?

人と集い、触れ合い、語り合うことをなりわいにしている私などは、
「三密自粛」と言われると、羽をもがれた蝶のように、飛ぶことも、 身動きすることもできず、弱るばかりです。
4月5月は全滅。6~8月の、公演・講演・ワークもキャンセルや 無期延期の知らせが届き始め、コロナで命を落とすのか餓死するのかという 究極の2択を迫られているという現実でもあります。

けれど、こんな無収入無期限休暇はこれまでの人生で体験したことはなく、
「さて今日は何しようかなあ」と目覚める朝は、
バタバタと追いまくられて 暮らしてきた身には、それなりに、意味のある時間になっています。
今までやりたくてもやれなかったこと、後伸ばしにしてきたことなど、
やり残してきたことを片っ端から、つまり「やりたいこと」からやっています。  

でも小さい人や、注文の多い夫などを抱えている方は、 こんなわけにはいかないでしょうね。

例えば、一日3回ご飯を作る仕事は思いの他時間を食うものです。
冷蔵庫には何があったっけ、夕べは魚だったから今夜は、、、
と 頭のどこかにいつもご飯のことがある。
限られた食費で、いつも「おいしいね」と言ってもらうための努力。

ご飯作りが得意な方には無縁な悩みかもしれませんが、
そうでもない方にはそれが、たいそう重荷になっているものです。
ここがご飯作りしたことのない人には解ってもらえないところですね。

ご飯の支度というのは、台所での調理だけではないのよ!と叫びたくなる。
献立プラン・買い物・収納・下ごしらえ・調理・盛り付け・配膳・片づけ・ 食器洗い・食器乾燥・食器収納等々。
さらに、食事中の「お代わり」「取り皿は?」「お醤油」「私はソース」などなど。
そのたびに立ったり座ったり。
「おいしいね」などと言っている暇もない方もいるのでは?
もう!いい加減にして!と爆発寸前の方もいらっしゃるのではないかしら。

そこで私からのささやかな提案です。
まず仕事を自分の中で細かに分けて、家族に、爆発じゃなくて、「提案」というか 「お願い」というか、「誘い=いざない」はどうですか?
初めからべき論で行くより、ハードルを下げて、 割と楽しいね、割と簡単だね、と体験してもらうことから 始めるのはいかがでしょう。

細かく分けると、小さな人でも、不慣れな人でもやれることがあります。

まずは、
「ご飯よーと言ったら自分お茶碗とお箸を持って行って」
「今日のご飯は〇〇ちゃんが決める日」と献立をまかせる。
さやえんどうのすじをとるとか、盛り付けとか、いろいろ具体的な仕事が沢山。
手仕事は心を落ち着かせます。
うんざりするほどの時間がある今、ご飯作りの愉しさを味わってもらうチャンスだと思うのです。

だから初めは、じょうず、へたは、あまり問わないでね。
片目つぶって見逃して、まずはやったという事実だけを喜び感謝しましょう。

お手伝いは、家族のとりわけお母さんの笑顔をつくります。
自分のしたことが誰かの笑顔を作るという体験も大事なことです。
大好きな人を大事にするって、自分が動いて何かをする、ってことだと体験する。
そうしたら、
ありがとう。助かるわー、と言葉惜しみしないで言いましょうよ。

ご飯作りができるという事は、自立の一歩。一人でも生きていけるという自信を手にすること。
自由にのびやかに生きる根っこの力を手に入れるという事でもありますね。

だけど、だからこそ、決して「これはあんたのためでもあるんだから」などと説教しないでね。
それは、愉しさを半減させるし、やる気を殺ぐ一番のタブーです。

ここはひとつ、教えるのではなく、
相手を信じて、感じとってもらうという 「アートとしての展開」になさるのはどうでしょう!  



公式発表新型コロナウイルス感染症数10807名2020年4月20日現在



ケーキ作りにわくわくドキドキ。
人形劇「チップとチョコ」より。