2016年12月23日金曜日

小さい人との会話はあなどれない

「ムツミサン」
「久しぶり、元気?」
「塗り絵を持ってきたの」
「へえ、私にも見せて」
公演の準備がすんで、休んでいると、4才くらいの女の子Aちゃんが近づいてきました。
一月程前に、観劇をうんと楽しむための「事前ワークショップ」とお食事会をしていますから、私たちはすでに、知り合いの仲、な訳です。

彼女は小脇にかかえてきた塗り絵を、私の前に置き一枚一枚めくりながら話してくれます。
ゾウのページでは
「(クレヨンに)銀色がなかったからちゃんとできてないの」
「あらそう、他の色も混ぜたらゾウ色になるかも」
「わたし、そういうことしないの」
とばっさり。
感性は固有のものです。
よそのおばさんはもちろん、親でも踏み込めません。

そこへ少しお姉さんの子がやってきて、
「この子わたしの友だちなの」
と。続けて、
「この子たちは年中さん。でも私は年長さん」
と、少々上から目線の口調で入り込んできました。
へぇぇ、この時代は、一歳でも年上は年上、偉いんだぁ、と感心。

そしてAちゃんがめくる塗り絵は、ミッフィーちゃんの絵のページに。
Aちゃんが
「これ肌色」
と言うやいなや、かの年長さん、
「白だよ!」
Aちゃんがなにか言おうとしても
「白!」
ときっぱり。

そりゃそうかもね、白うさぎのミッフィーだからね。
でもAちゃんが何を言いたがっているのかも知りたい。
もしかして、
今のクレヨンでは「肌色」という言い方はしないのだから、Aちゃんは別のことを言いたいのかな、と私。
つい、
「私、緑の肌色の人知ってる。かえるくん(私の演目の主人公)」
そうしたら少し間があって、
Bちゃんが茶色のクレヨンを手に
「私こういう色の人も知ってる」
と。

「感じる・考える」は、勝ち負けじゃない。
aでもない、bでもない、新たなCを見つけることなんだよねぇ。

小さな人たちとのお話は展開も中身も素朴で、なかなかに深いものでした。


この時期はこれを会場入り口に飾ります。
くまくんとハリネズミくんは、ひぽぽたあむの馴染みの出演者。
公演先の小樽で偶然見つけました。

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