2017年6月15日木曜日

すれ違いもまたたのし


少し離れた駐車場に車を停めて、帰宅する途中でのことです。
小走りの、年長さんくらいの男の子と、そのお父さんとおぼしき人が私を追い越していきました。

「お兄ちゃん、まってえ」
振り向くと、2歳か3歳のお嬢さんがママと手をつないで走ってきます。
そして
「ママも走って!」
と。
ママはたぶん、
いつもより大股になってお嬢さんのスピードに合わせていたのでしょうが、
お嬢さんには伝わらず。
お兄ちゃんに追い付けないのはママのせいだと言わんばかり。

道を譲りながら、思わず私が吹き出すと、ママもにっこり。
いつもこうなんです、と目が言ってるみたい。

スピードの問題ではなくて、急いで走っているようにして欲しい、
ってことなんだね、
自分と「おんなじ」に。

素朴でまっとうなお願いと、
だから、私も急いでいるでしょ、というママの思いとが
少しだけすれ違う。

素敵だな。
私も若いとき、こんなやり取りしてたんだろうな。

懐かしさも混じりこんだほあんとした心持ちに。
初夏の涼やかな風の中のできごとです。


ふるさと山形から季節のたより。

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