なんて叱ったことことありませんか。
そうなんですよね。
身を乗り出して舞台を観て、笑ったり、泣いたり。
しんみりしたり。
「ママ、おもしろかったあ」
などと。
「あああ、我が子も大きくなったな、あんなに楽しんでいた。
子連れ移動で大変だったけれど、
やっぱり生の舞台を観に行ってよかった、うんうん」
そう思った矢先に、
突然始まる兄弟姉妹(夫婦も?)喧嘩。
「んもう。安くないのよあの舞台。テレビならただだけど」
でも、どうぞがっかりなさらないで。
もとより、生の舞台に触れたからって、
我が子が急に〈良い子〉になるなんて、どなたも期待していないとは思いますが。
それでも、今夜一晩くらいは、
ハリネズミの控えめな優しさとか、かえるくんのお茶目な友情とかに包まれて、
劇中歌なんか口ずさみ、
みんな仲良く「今日はいい日だったね」と
健やかな眠りにつけるはずじゃなかったの!
と、いつもの喧嘩より腹立たしいのですよね。
でも私は思うのです。
それは心がいつもより柔らかくなっているからではないかしら、と。
だから、
普段なら見逃すところで心が反応する。
些細なことが見逃せない。
反応しやすくなっている、
ってことじゃないのかなぁ。
生の舞台に触れたことで、
今持っている言葉では言い表せない、新しい何かが心に生まれたんだ。
ゆらゆらしているんだと。
むしろ戸惑っているんだ、と。
だからそんな夜は、
何やってんの! と叱り飛ばすのではなくて、
ぎゅっと抱き止めてあげてほしい。
こんな夜もあるさ、と。
私もときどき心がゆさゆさします。
そんな日はぎゅってしてほしい。
もしかしておかあさん、あなたも?
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